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医療機器のQMS規格:ISO13485と認証制度 

1.ISO13485とは

 医療機器は、人の健康や生命に対して、直接重大な影響を及ぼすものです。どんなに高度で先進的な技術を駆使したものであっても、安全性と安定した品質が確保されていなければ、利用できるものではありません。ここに、医療機器の安全性と品質を継続的に確保するためのシステムのニーズがあります。
 医療機器の品質マネジメントシステムに関しては、ISO9001の要求事項だけでは不十分であるとの国際的な共通認識があり、医療機器のための品質マネジメントシステム規格として、1996年に、“ISO13485”が発行されました。なお、この規格は2003年7月、ISO9001:2000年版に対応して改正版が発行されています。

 ISO13485:2003の序文では、以下のように、規格の目的が記述されています。
※2016年に改訂されました。
「この規格は、医療機器の設計・開発、製造、据付け及び付帯サービス並びに関連するサービスの設計、開発及び提供に対して、組織が使うことができる品質マネジメントシステムの要求事項を規定する。」

 ISO13485は、ISO9001と異なり、各国の“規制目的”で利用されることが意図されています。このため、以下のような特徴があります。
�@ 我が国の「薬事法」など、各国の医療機器規制との一貫性を確保するため、ISO9001にある「継続的改善」や「顧客満足」の要求事項が除外されている。
�A 洗浄性・清潔・汚染防止など、衛生面での要求事項が強化されている。
�B 滅菌バリデーション、リスクマネジメント活動が要求されている。
�C 文書化要求が多い。


2.「薬事法」との関係
 医薬品や医療機器の基準、製造販売に関わる承認、許可制度などを規定した「薬事法」が2002年7月に改正され、2005年4月から全面的に施行されています。この改正薬事法の主な内容は、以下のとおりです。
�@ 医療機器に係る安全対策の抜本的な見直し
�A 市販後の安全対策の充実
�B 承認、許可制度の見直し

 医療機器の製造業、及び体外診断用医薬品の製造販売を行なう企業においては、薬事法に基づく「製造管理及び品質管理の基準」(GMP)への対応が必要ですが、今回の法改正により、このGMPが大きく改正され、“ISO13485の要求事項を取り入れた内容”となりました。これは、「医療機器及び体外診断用医薬品の製造管理及び品質管理の基準に関する省令」として、2004年12月に制定されています。さらに、医療機器等の製造、販売を行なう場合には、その許可の要件として、「製造販売後安全管理基準」(GVP)、「製造販売品質保証基準」(GQP)への対応も必須事項となっています。
 例えば、医療機器の輸入販売業において、単にラベル表示を翻訳して張り替えるだけであっても、その行為は製造と見なされるようになり、製造業としての要件が必要となっています。

3.民間による第三者認証制度の導入
 医療機器は、人体へのリスクの大きさに応じて、クラス分けが行なわれていますが、比較的低リスク(クラス�U)の医療機器、及び体外診断用医薬品を取り扱う製造販売業者に対しては、国の承認に代わって、民間の第三者認証機関による認証制度が導入されました。従来の国による承認要否の分類と、改正法による認証区分の比較を以下に示します。

国際分類
リスクによる医療機器の分類
従来
2005年施行後
クラス�T
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが極めて低いと考えられるもの
(例)体外診断用機器、X線フィルム
承認不要 自己認証
クラス�U
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的低いと考えられるもの
(例)MRI、電子式血圧計、消化器用カテーテル、超音波診断装置
国による承認が必要 第三者認証
クラス�V
不具合が生じた場合でも、人体へのリスクが比較的高いと考えられるもの
(例)透析器、人口呼吸器
国による承認が必要
クラス�W
不具合が生じた場合でも、生命の危険に直結する恐れがあるもの
(例)ペースメーカー、人口心臓弁


 新しい認証制度に対応できる民間の第三者認証機関は、事前に厚生労働省に登録されている必要がありますが、2007年4月現在、以下の14機関が登録されている。また、これらの認証機関は、「薬事法登録認証機関協議会」を発足させており、新しい制度の普及、発展に向けて活動を開始しています。

No.
登録番号
認証機関名称
1
AA
テュフジャパン(株)テュフズードグループ
2
AB
テュフラインランドジャパン(株)
3
AC
(株)ユーエルエーペックス
4
AD
ビーエスアイジャパン(株)
5
AE
(財)日本規格協会
6
AF
SGSジャパン(株)
7
AG
(株)コスモス・コーポレーション
8
AH
(財)日本品質保証機構
9
AI
(株)シュピンドラーアソシエイツ
10
AJ
日本化学キューエイ(株)
11
AK
(財)電気安全環境研究所
12
AL
(財)医療機器センター
13
AM
フジファルマ(株)
14
AN
(株)日本環境認証機構

 なお、上記の改正薬事法の施行に関わりなく、従来から、日本適合性認定協会(JAB)に認定された審査登録機関によって、ISO13485に基づく第三者審査登録が行われています。ただし、この審査登録は、厚生労働省が法規制の中で要求する第三者認証とは別のものです。改正薬事法の施行前に、ある審査登録機関によってISO13485による認証登録を取得した企業であっても、改正薬事法に該当する製品を取り扱う場合には、改めて審査登録が必要となるので注意が必要です。


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